2018年8月8日水曜日

大塚家具を庇い立てする

大塚家具を庇い立てする


かつて親子間の葛藤で世間を賑わした大塚家具の経営が行き詰まっている。追い出された元社長は嘆き、身売り先とみられるヨドバシカメラは否定的な見解を明言している。
https://www.asahi.com/articles/ASL875GXTL87ULFA01V.html
https://mainichi.jp/articles/20180808/k00/00m/020/143000c

現社長に問題があったのだろうか。私はそうは思わない。

1 家具市場は縮小している


一般社団法人日本家具産業振興会によると、家具の出荷は低迷している。
http://www.jfa-kagu.jp/files/statistics/manufacturing_2002-2015.pdf
出荷が低迷する中で、金属家具の減少幅は低いが、それでも減少していることに変わりがない。

出荷金額が減り、従業員が減っているこの市場から大塚家具が退出したとしても、現行社長の問題だと言い切ることはできない。

2 中古市場がない

オフィス家具の中古市場について経産省が調査したことがある。
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2011fy/E001426.pdf
これによると「安価な中国製の製品の流入により、中古市場が成り立たない」「良質な中古品が手に入らない」という悩みがあるようだ。そういえば、我が家もアイリスオーヤマか山善の製品しか使わないことにしている。

ヨーロッパはどうだろうか。フランスのように不動産だけでなく家具に国がある。そういったところではブランド化しやすい。ところが、日本は資産といえば不動産か車かという社会である。

であれば、大塚家具は何をすべきだっただろう。高級品の中古市場を作るべきだったのかもしれない。
もしも、「このタンスは1600年にOO家からOO家に贈答品として送られ、それ以来OO家で使われていました」「OO国大使よりOOにお礼として送られた家具」という家具が中古で出てくるならば、アイリスオーヤマだらけの我が家でもかなり関心を持つ。大塚家具は高級家具を売るだけではなく、高級家具の中古市場を育てていたら違ったのかもしれない。

六角弘の「怪文書」(光文社新書) Kindle版によれば、怪文書が出てくるときは、経営が破綻する直前という。あの親子騒動を見たとき、あの会社はすでにまずかったのだろう。もっと早くに騒動を起こしていれば、違ったのかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿